出来うるものなら映画館で見たいと思っていた作品です。何故ならSFもの(+アクションもの)は映画館での迫力が半端ないと思っているから&ザッカリー・クイント(HEROESのサイラー)がスポックを演じているから、なのですが、タイミングが合わなくて見るに見れず、何度も放送していてくれたにもかかわらず今になってやっとwowowでの放送を録画して、更にそれからしばらく経った今見るに至った作品です。……まあ私がタイミング逃すとそんなもんなんですが……。今回はまだ早いほうだと言わざるを得ません。
私の、スタトレに対する知識というのは大変中途半端で、旧作であるTVドラマはそんなに見たことがありません。最近スパドラで放送してくれていたのでちょこちょこ見たりしたことはあるし、もう少し後のシリーズ、ピカード艦長のものであればもうちょっと見たんだけれど、これは多分あんまり関係ないでしょう。キャラが被っているのは旧作なんだから。
というレベルなので、ある程度のキャラは分かっても細かいネタはもうサッパリ分かりません。
でも、それでもたいして問題ありませんでした。
キャラ的には若返っていてそれぞれちょっと違うタイプになっているかな?と感じる部分も少なくなかったのですが、それはそれとしてそれぞれ魅力的で良いかなと。特にスールー(ミスター・カトウ)がなにげに大活躍していて良いです。ドクターはちょっと普通になってしまったかな?
主役二人は、カーク船長は……いやはっちゃけすぎ破壊的すぎない?と思ったものの、ちょっとばかり過去がかわってしまっているからそのせいらしい、というのが描かれていないではないし、元のカーク船長よりある意味男らしいので良し。とはいえちょっと軽すぎる感はアリ。
スポックは……スポックって、常に冷静・理論的で感情が表に出ないちょいエキセントリックなキャラ、というイメージなのですけれども、この若きスポックはエキセントリックというよりはサイコっぽいんですが、それは中の人の問題でしょうか。それはそういう気が凄く致します。でも若いからこそなのか、まだ少し感情的で人間的なのは、これはこれで良いかなと。ザッカリー・クイントはうまいなとも感じたし。
ストーリーというか展開のほうは、アクション込みでとにかく飽きない。スピードがあってだらけている暇がないかんじで、こういうのは見ていて楽しくてイイです。単純なのはいいことだ。
とはいえ、いきなりタイムスリップものですかい。この展開だと、タイムスリップものにありがちな無駄に考えてしまうころがないではないです。矛盾が出てこない?とかそもそもタイムスリップというSFの概念が、面白いけれども難しい、いや難しいっていうとちょと違うんですけれども、なんかコレ大丈夫なのかなと思ってしまうところがあって、それがちょっと。
ただし、このタイムスリップというもののおかげで、歳をとったMr.スポックが出てきてくれるし、アナザースタトレなのだという納得もしやすいものになっているので、結果オーライかな。レナード・ニモイの出演はやっぱり嬉しいサービスだと思います。
そういえば私は一応遙か昔、どれだったか記憶にないレベルで旧作のスタトレ映画を、それも元をロクに知らずに見たことがあるのですけれど、あんなにつまらないものはない、と思ったレベルで楽しめなかったことがあります。が、今回のはそういうことはないんじゃないかな……と思います。あんまり自信はないけれども、スタトレ知らない人でもそこそこは楽しめるんじゃないかなと。
とはいえ作り的にはどう考えてもある程度知っている人向けで、そのへんが中途半端なのでは……という気もしないではないです。いわゆるトレッキーの人の場合、この作品耐えられるのかなと思ってしまうところがあるし、全く知らない人の場合「お約束」やキャラの立ち位置がいまいち分からない可能性がありそう。それ以前に世界観が理解出来なさそう。
こういう過去の有名なテレビシリーズの映画化というのはそのへんやっぱり難しいものを感じないではないですが、私自身が幸か不幸か激しく中途半端な知識だけを持って見ることが出来たので、充分楽しめました。